2月17日(月)、ヨコハマ創造都市センター(中区本町6-50-1)で、社会課題を、ビジネスを通じて行う越境リーダー、ステークホルダーを招き、これからの地域課題解決に向けたトークセッションを開催した。地域の課題解決には行政、NPO、企業、市民の4つの主体が知見を持ち寄り、組み合わせる仕組みが求められる。では、どのようにしたら実現できるのか?これをテーマに、企業、行政、NPOそれぞれ組織の枠組みを超えて活動している方々を招き、これから取るべき行動について検討した。

・インターネットを通じて横浜の地域課題解決に取り組む、横浜コミュニティデザインラボの杉浦さんは、「オープンデータ」をキーワードに、行政や民間が持つさまざまなデータを共有。「それぞれバラバラに存在するデータは組み合わせてこそ新しいアイデアを生む」。

・横浜市立大学教授で、地域CSR論を研究している影山摩子弥教授は「社会課題を解決するために、まず仕組み作りが大切。そして企業やそこに属する個人が仕組み作りに参画していく」と強調。そのとき必要なものは「ひと、金、情報」。その中で、地域で何かを回していくためには特に大切なのは、人。人材づくりや、多様な人材の確保が先決。

・若者の就業をテーマに、弱者支援ではない新しい労働市場を目指し活動しているアクセンチュアの市川さんは、企業に属する個人としての立場からCSRを紹介。「社会貢献活動は、個人がいきなり独立して行うのはハードルが高い。まずは組織に残りながら人や金といった資源を生かして活動を始めることが大切」。

また、横浜スタンダード推進協議会の江森克治さん、富士ゼロックスの舘野昌一さん、協同労働協会の坂佐井雅一さん、五つのパン理事の岩永敏郎さんがそれぞれCSR活動事例を紹介。 日本の右肩上がりの成長が止まり、企業が利益のみを追求する時代は終わりを迎えている。次の時代、企業に求められるのは社会課題を解決していくこと。そのためには、NPOや行政、市民と協力する必要がある。越境リーダーが組織の枠を超え、「共感」をキーワードに立場も身分も違う人達をいかに繋げていくか。社会課題のニーズの変化は目まぐるしく、的確に捉えるのは困難だが、心に訴える活動を地道に続けていくことが大切だ。その結果、個人同士が繋がっていき、社会全体がスケールアップしていけば少しずつ解決に向かうだろう。