昨日は、メディアビジネスセンター1Fで行われたデジタルキャンプ主催のクリエーターイベント「ハマクリ!」に行ってきました。
スタッフとして機材や受付の裏側にいることが多いこの会場ですが、この日は登壇者としての参加。いつものハマクリとは少し路線の違った「図書館からつくる未来のライブラリーへの招待」というテーマで、ラボ図書環の取り組みについて紹介させていただきました。

私の後に登壇したのは、筑波大学4年の三津石智己さん。各大学で導入の進んでいる図書館内の新しい学習空間「ラーニングコモンズ」についての発表でした。
印象的だったのは、図書館の中にこだわらなくても、カフェなどみんなが心地よく感じる場あちこちにラーニングコモンズがあればいい、という発言。これは学生や教育者のみならず、流行りのノマド・ワーキングスタイルにも通じるなと感じたのと同時に、ではなぜこれほど多くの人が「図書館」という場に魅力を感じ、あえてまったく違うものではなく「新しい図書館」をつくろうとしているのか、改めて考えさせられました。

本と人をつなげるしおり・kumoriをつくっている渡辺ゆきのさんは、ふわふわした話し方も立ちふるまいもkumoriのイメージそのまま。学生でありながら、「こんな図書館にできたらいいなあ」という純粋な思いを着々と実行に移す行動力がとても素敵でした。

日本の何千もの図書館の蔵書が横断検索できるカーリル開発者の洛西一周さん。プログラミングを難しく考えずにまずやってみて、といわれ少し勇気が湧いた気がしました。ディスカッションの中で、図書館は「読む」「吸収する」ことに特化しているから静かなのであって、それよりいろんなことがオンラインでできる今、「なにかが生み出される図書館」づくりが必要だ、という言葉はとても説得力がありました。

茨城から来て下さった那珂市立図書館藤田方江さんは、若いライブラリアンの元気を広めるネットワーク・U40を紹介。まさにこの日のテーマを表すコンセプトで、もっといろんなところに広まってほしいと思います。個人的には、外から図書館を変えていく他の人とは違った、図書館を外に広げていく、もう一つの勤務先であるスタバに本を持っていったりといった図書館員のちょっとした日常について、もう少しお話が聞きたかったです。

途中、図書館総合展運営委員会の佐藤潔さんからの、図書館総合展の見どころ紹介も。とにかく盛りだくさんで、図書館好きにはパンフレットを見てるだけでよだれものです。あとは、ディスカッションでも出たように、いかに敷居を低くできるかということと、学校図書室が学校生活の大事な一部だった私にとって、学校図書室の運営に関わる方たちも来られる週末開催にしてもらえればなあということ、そしてせっかく横浜でやるならどこかに横浜らしさを出してもらえれば、と思います。

それと、進行の渡部健司さんの話を聞いていて思ったのは、そのうち「遺書」ならぬ「遺本棚」を集めた「遺図書館」ができるんじゃないかということ。北沢猛先生のように一人分でブックカフェをつくったりできない人たちは、本棚をそこに寄贈して、故人の名前で本が検索できたりするんじゃないかしら、そんなことを空想しました。なんかまとめて壺だけ入れてもらうキリスト教のお墓みたい。
図書館を、本を探してでなく本棚を探して歩くのは、楽しいかもしれませんね。