22日19:00からヨコハマ創造都市センターで行われた「トリエンナーレ学校vol.2国内のアートイベントを知ろう」に参加しました。

 トリエンナーレ学校は、来たる2013年のヨコハマトリエンナーレをよりよいものとするために、市民の国際芸術祭に対する知識や考え方、取り組み方を向上させるために開かれています。今回の参加者は100人弱。年齢層は幅広く20代から70代くらいまでといった様子でした。

 今回のゲストは新潟市の「水と土の芸術祭2012」芸術祭推進課課長の五十嵐政人さん、越後妻有の「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ2012」事務局の原蜜さん、別府市の「混浴温泉世界2012」NPO法人BEPPU PROJECT代表理事の山出淳也さん。
 
 各芸術祭が開催される地域の歴史や課題、芸術祭の運営についてなどお話を伺いました。

新潟市が国際芸術祭を開いたのには2つの理由があるそう。1つ目は、港としての地位が低下した新潟をもう一度世界都市にしたいという願いがあるから。2つ目は、2005年の市町村合併で新潟市が大きくなり、これまで交流のなかった人たちが交流できる場を生み出して、新しい文化の創造につなげたいと思ったからだそうです。

 芸術祭は市民共同を考えたときに1番敷居の低いものであると五十嵐さんは述べました。幅広い年齢層が一緒に楽しめて、一緒に活動できるのが芸術祭。2009年に行ったときよりも2012年の今の方が市民の考え方も取り組み方も変わったといいます。しかしまだまだ改善していかなければいけないところも多くあるそうです。今後どのような変化を遂げていくのかというのも楽しみな芸術祭です。

水と土の芸術祭2012

 越後妻有は人口の低下も激しく、若い人も少ない地域です。そこで人の集まれるイベントをつくろうということで2000年から始まったのが「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」なのです。越後妻有地域全体がミュージアムとなり、全部のエリアを回るには1週間ほどかかるそうです。なんと意外にもその全てのエリアを回ってくれるのは地元のおじいさんおばあさんなんだとか。やはり芸術祭は年齢層関係なく楽しめるんですね。

 この越後妻有の芸術祭では、市民サポーターのことを「こへび隊」と呼んでいるそうです。もちろん地域住民だけでは、全く人が足りません。そこで関東から若い人が集まってきて、集団生活をしながら芸術祭を支えます。地元の人と他の地域から来た人が協力することで、この芸術祭は支えられています。年々パワーアップしている大地の芸術祭。1度は行ってみたいです。

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012

 最後は昔から観光地として有名な別府で行われる「混浴温泉世界2012」こちらは今回が2回目のアートフェスティバル。。このフェスティバルは日帰りではなく、宿泊のお客さんを増やし、個人客、女性客、若年層を呼び込むために始まったそうです。

 ここの芸術祭の運営は民間が主力。今年は市民プロジェクトも行われ、市民が主催者となってイベントを開くということをします。山出さんは、市民にはお客さんというよりも主催者側としてこの芸術祭に関わって欲しい。市民がこの芸術祭を通して変わったかどうかはわからないが、将来的にはこの地域の未来をどう作っていくかということをこのイベントを通して考えてもらいたいと話していました。

混浴温泉世界2012

 どのアートイベントもそれぞれに特徴があって、開催理由も異なります。それでも誰もがアートを気軽に楽しみ、観光客も地元の人も関係なく交流ができるという点では同じです。大都市横浜で行われるアートイベントとはまた異なる楽しみがありそうです。2013年ヨコハマトリエンナーレでは、人とアートが触れ合うだけではなく、人と人との交流も数多く生まれることは期待します。

 最後にお知らせにはなりますが、トリエンナーレ学校は秋も開講されます。興味のある方は是非。

ヨコハマ創造都市センター

インターン 佐藤