本の著者や編集者などをお招きする「ラボ図書環オーサートーク」。24回目となる今回は、4月15日19時から、さくらWORKS<関内>で、「”福島の話ってメンドクサイ”と感じているあなたに/『はじめての福島学』著者・開沼博さんに聞く」を開催します。

2011年に起きた東日本大震災・東京電力福島第1原子力発電所の事故から4年が経過しました。

首都圏に住む私たちが、原子力による電気生産を過疎に悩む市町村に担わせ続け、その結果として、その地の自然、そこに住む人たちを襲った事故でした。
この事故以降、これまでの「暮らし方」「価値観」が大きく揺らぎ、それは今、そしてこれからも続いています。
この事故はまた「正しい情報とは何か」「科学的とはどういうことか」という問いを私たちにつきつけました。

反原発・デマ・リスクコミュニケーション・風評被害…。さまざまな言葉が舞うなかで「被災地・福島は、実際どのような状況なのか」「データはだれが、どのようにとり続けているのか」という、「現地のこと」について、調査に基づいた信頼できる情報が「わからなくなっている」という現状が、私たちの前にあります。

「はじめての福島学」(2015年3月1日刊、イースト・プレス)は、福島県出身の社会学者・開沼博さんによる4年ぶりの書きおろしです。

http://goo.gl/9Y85mz

放射線の問題ばかりがクローズアップされ「いまなお…」という語句でくくられがちな福島ですが、4年の月日の間に県民の方々が切り拓いた歩みは多様であり創造的ですらあります。

このオーサートークでは、この本が書かれなければならなかった背景、福島の今を示すデータやモラルパニック、そして福島問題についての社会の意識が「時間の経過によってどのように変化したのか」について、開沼さんにお話いただくとともに、サイエンスライターの粥川準二さん(横浜市南区在住)との対話を通じて、科学とコミュニケーションや教育、研究者・メディアのあり方について議論を深めていきます。

【開沼博さん プロフィール】
1984年福島県いわき市生まれ。東京大学文学部卒。同大学院学際情報学府修士課程修了。現在、同博士課程在籍。福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員。専攻は社会学。著書に『漂白される社会』(ダイヤモンド社)『フクシマの正義 「日本の変わらなさ」との闘い』(幻冬舎)『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土社)『地方の論理 フクシマから考える日本の未来』(同、佐藤栄佐久氏との共著)『「原発避難」論 避難の実像からセカンドタウン、故郷再生まで』(明石書店、編著)など。学術誌の他、「文藝春秋」「AERA」などの媒体にルポ・評論・書評などを執筆。

【粥川準二さん プロフィール】
1969年生まれ、愛知県出身。ライター・翻訳者・編集者。明治学院大学ほか非常勤講師。「ジャーナリスト」と呼ばれることもある。著書『バイオ化する社会』(青土社)ほか、共訳書『逆襲するテクノロジー』(早川書房)ほか。博士(社会学)。

▽内容(調整中)

○はやわかり「はじめての福島学」〜なぜ、この本が書かれたのか/データで知る「福島の今」
○開沼博さん×粥川準二さん 対談〜「『はじめての福島学』の余白に」
○会場とのディスカッション

★メールでは
info(アット)yokohamalab.jp
に件名「オーサートークVOL25参加希望」を入れ、お名前を本文にお書きのうえ、お送りください。

▽日時 4月15日(水) 19:00ー21:30
▽場所 さくらWORKS<関内>右側スペース
横浜市中区相生町3-61 泰生ビル2F
▽参加費
・書籍購入なし=入場料1000円
・トーク当日、会場で「はじめての福島学」を現場で購入いただいた方は書籍代1500円+入場料500円=計2000円