
協働・創発の場をデザインする連続トークシリーズ
「デザインの時代」は、NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボが、さくらWORKS<関内>の大規模リノベーションを機に開催した連続トーク・ワークショップシリーズです。このページでは、2013年2月から5月に開催された第1〜5回の記録を紹介します。
ここでいう「デザイン」は、造形や意匠だけを意味するものではありません。
社会との関係をつくること、多様な人からアイデアを引き出すこと、必要なものを自分たちの手でつくること、人と人とのつながりを編み直すこと、個人と社会を結ぶ情報を設計すること——。協働・創発の場に求められる広義のデザインを、各分野の実践者と参加者がともに考えました。
このシリーズは、さくらWORKS<関内>を、地域課題の解決や新しい活動を生み出す「学びと交流の現場」として育てていく取り組みでもありました。
開催概要
| 掲載する記録 | 2013年2月2日~5月31日/第1〜5回 |
|---|---|
| 会場 | さくらWORKS<関内> |
| 主催 | NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ |
| 形式 | 講演、対談、ワークショップ、オープンディスカッション、交流会 |
| 主な対象 | NPO、社会起業家、企業、クリエーター、研究者、学生、地域活動実践者 |
| 事業区分 | 自主事業/スペース活用/学びと交流/新規事業開発 |
以下のプログラム・登壇者情報は、当時の公式告知・募集記録に基づきます。肩書は当時のものです。
シリーズで考えた5つのデザイン
横浜コミュニティデザイン・ラボでは、地域や組織の課題を解決するためには、異なる経験や専門性を持つ人たちが出会い、対話し、試作し、行動する環境が必要だと考えています。
- 社会との関係をつくる「ソーシャルデザイン」
- アイデアを引き出す「プロセスデザイン」
- 市民が自らつくる「パーソナル・ファブリケーション」
- 人のつながりを編み直す「コミュニティデザイン」
- 個人と社会を結ぶ「情報デザイン」
vol.1 ソーシャルデザイン
津田大介と一緒にソーシャルデザインを考える
開催日:2013年2月2日
ジャーナリスト/メディア・アクティビストの津田大介氏を迎え、「社会との関わりをつくる」ことをテーマに開催しました。
当時のプログラムは、津田氏と横浜コミュニティデザイン・ラボ理事の岡本真による対談「ソーシャルデザイン―社会との関わりをつくる」と、参加者が車座で「コワーキングによるソーシャルデザインの可能性」を話し合うトーキングサークルで構成されました。
- ゲスト:津田大介氏
- ホスト:岡本真
- 形式:対談、トーキングサークル、交流会
- 主なテーマ:社会との関係、情報発信、コワーキング、シェアオフィス
vol.2 アイデア創出のプロセスデザイン
石井力重と一緒にアイデア創出のプロセスデザインを考える
開催日:2013年3月9日
アイデア創出支援の専門家である石井力重氏を迎え、創造的な考えを生み出し、共有していくプロセスをテーマに開催しました。
ミニレクチャーとワークショップを通じて、創造的な場をつくるためのポイントや、組織・集団の創造性を妨げる要因、参加者同士でアイデアを引き出す方法を学ぶプログラムが組まれました。
- ゲスト:石井力重氏
- ホスト:宮島真希子
- 形式:レクチャー、アイデアワークショップ、交流会
- 主なテーマ:創造的な場、ブレーンストーミング、アイデア創出、協働
vol.3 パーソナル・ファブリケーション
田中浩也と一緒にパーソナル・ファブリケーションについて考える
開催日:2013年3月28日
慶應義塾大学環境情報学部准教授で、ファブラボジャパン発起人の田中浩也氏を迎え、デジタル工作機器によって「自分が必要とするものを自分自身でつくる」パーソナル・ファブリケーションの可能性を考えました。
田中氏の講演に加え、クリエイティブクラスター代表の岡田智博氏、ファブラボ鎌倉代表の渡辺ゆうか氏、東京都市大学准教授の岡部大介氏らによるトークセッションが企画されました。
- ゲスト:田中浩也氏
- トークセッション:岡田智博氏、渡辺ゆうか氏、岡部大介氏ほか
- 形式:講演、トークセッション、質疑、交流会
- 主なテーマ:ファブラボ、デジタル工作、市民によるものづくり、コミュニティデザイン
この回は、横浜コミュニティデザイン・ラボが進めるパーソナル・ファブリケーション事業のキックオフとして位置づけられ、当時の告知では参加費による収益を同事業の運営費に充てる計画が示されました。
当時の公式記事を見る
事業キックオフの告知を見る
ヨコハマ経済新聞の記事を見る
vol.4 コミュニティデザイン
山崎亮と一緒にコミュニティデザインを考える―人とつながる“魔法”のかけ方
開催日:2013年4月21日
コミュニティデザイン事務所studio-L代表の山崎亮氏を迎え、人と人とのつながりをデザインする仕事と、地域課題を地域に暮らす人たち自身が解決していくための方法を考えました。
当時のプログラムでは、山崎氏の講演に続き、横浜コミュニティデザイン・ラボ代表理事の杉浦裕樹との対談「370万人都市・横浜でコミュニティデザインは可能か?」が予定されていました。
- ゲスト:山崎亮氏
- 聞き手:杉浦裕樹
- 形式:講演、対談、交流会
- 主なテーマ:人のつながり、地域課題、場のマネジメント、大都市のコミュニティデザイン
vol.5 個人と社会をつなぐ情報デザイン
渡辺保史と一緒に「自分たち事―個人と社会をつなぐデザイン」を考える
開催日:2013年5月31日
『情報デザイン入門』の著者である渡辺保史氏を迎え、情報デザインを、日々の生活や社会を変え、個人とコミュニティを結ぶ行為として考える機会を設けました。
募集時には、渡辺氏による「自分たち事―個人と社会をつなぐデザイン」の講演、各分野の実践者によるコメント、参加者を交えたオープンディスカッションが案内されました。
- ゲスト:渡辺保史氏
- ゲストコメンテーター(募集時の予定):田中浩也氏、水島久光氏、上野直樹氏、岩室晶子氏、岡部大介氏ほか
- 形式:講演、ゲストコメント、オープンディスカッション
- 主なテーマ:情報デザイン、個人と社会、コミュニティ、「自分たち事」
メディフェスの紹介では、この回は渡辺氏の生前最後のトークイベントとして紹介されています。渡辺氏が執筆していた原稿は、後に遺稿集『Designing Ours―「自分たち事」のデザイン』として刊行されました。
ファブラボ関内の開設と、ラボの学びの場づくり
「デザインの時代」は、専門家から知識を得るだけでなく、参加者や実践者との関係から次の活動を生み出すことを重視しました。
特にvol.3は、横浜コミュニティデザイン・ラボによるパーソナル・ファブリケーション事業のキックオフとして実施されました。その後、2013年8月、さくらWORKS<関内>内に「ファブラボ関内」を開設。3Dプリンターやレーザーカッターなどを備え、市民が学び、つくり、分かち合うものづくりの拠点として活動を始めました。
ラボでは、本シリーズに先立つ2012年から、ラボ図書環オーサートークや政策デザイン勉強会も開催してきました。「デザインの時代」は、こうした学びと連携の場づくりに共通する、講演・対話・交流の実践の一つです。

