1月4・5日の2日間、宮城県の名取市図書館で、ボランティア募集に応じてくれた4名の方と一緒に「どんぐり子ども図書室」開設準備のお手伝いをしてきました。
名取市図書館本館は、もともとは市役所だったという古い建物。
津波の被害はかろうじてなかったものの、地震で外壁がはがれたりひびが入って使えなくなり、夏にプレハブの南館ができるまでは、外で貸し出しをしていたそうです。
saveMLAKのメンバーが「何かお困りのことはないですか?」と職員の方に尋ねた際、「建物が欲しいです」と言われたのが4月のこと。
それから様々な方の協力を経て、震災復興応急住宅モデル「どんぐりハウス」の仕組みを導入した「どんぐり子ども図書室」が建設され、1月6日に開所式を迎えることになりました。
一日目は、移動図書館や本館・南館から、約2万冊の本をとにかく運び込み、棚に入れて行く作業。事前に割り振られた大まかな分類に沿って、絵本や小説、図鑑、親御さんのための教育や医療に関する本などを並べていきます。
名取市図書館・宮城県図書館やsaveMLAKから参加の公共図書館の司書さんたちに取り仕切ってもらい、少しずつ並べ替えも進めながら作業。「ア行多すぎ!」「コホ、コモ…」「モずらして」など、ふだん使わない呪文のような言葉をみんなで唱えながら、頭も力もたくさん使いました。
並行して、宮城県出身のアルファデザインのお二人は、各本棚に表示するラベルの制作作業。本の量に応じて場所がどんどん変わっていくので、対応も大変そうでした。
二日目は、宮城大学と今回の設計を手がけた東海大学の杉本洋文教授の研究室の学生も加わり、残りの本の移動と細かい並べ替えに、本棚のヤスリがけ。
早くも筋肉痛になってきた腕をほぐしながら、五十音や数字のラベルとひたすらにらめっこしていました。
背表紙の位置をそろえたり、もっと細かく並び替えたり、できることはまだたくさんあったけど、とりあえず最低限の作業を終えて一安心!
待ちに待った6日の開所式には、名取市長や東海大の杉本教授、建設費用を援助してくださったユニセフの方等も出席。
テントの横には、既に開館を待つ親子が長蛇の列をなしていました。
テープカットには、かながわ東日本大震災ボランティアステーション副代表として、杉浦さんも参加。
行列をなしていたお客さんが入室を開始すると、貸出カウンターの前もあっというまに行列になりました。
子どもたちは、ヒノキのにおいに「クサイ!」と騒いだり(笑)、マットの上ででんぐり返しをしたり、取材に来ていたカメラマンにお気に入りの本を嬉しそうに見せたり。
さっそくはじめられた読み聞かせにも、熱心に聞き入っていました。
あれだけ苦労して細かく分けた本がもうバラバラになると思うと少し複雑でしたが、これだけ心待ちにしてくれている人たちがいたこと、実際に利用してくれる場面が見れたことで、2日間の疲れも一気に吹き飛ぶようでした。
図書館を出たあとは、杉浦さんとボランティアさん一名と、名取市の海側にある、津波によって壊滅的な被害を受けた閖上地区へ。仙台空港から途中一部のエリアを除いてほぼまっさらになった更地が広がり、これまで家があったとは信じられない光景でした。
<どんぐり募金 ご協力のお願い>
東海大学チャレンジセンターが運営する「どんぐり募金」では、引き続きどんぐり子ども図書室の設備のための寄付金を集めています。
皆様のご協力をお願い致します。
振込先:
横浜銀行東海大学駅前支店 (普)6032050
トウカイダイガクチャレンジセンター 3.11 セイカツフッコウシエンプロジェクト
→現在の募金額等詳細はこちら
http://deka.challe.u-tokai.ac.jp/3.11lcp/pg119.html