先日、10月7日(日)13時から、ラボ学生インターン企画「第一回読書会」を開催しました。3連休の中日にもかかわらず、また横浜中がジャズの誘惑に満たされていたのにかかわらず、参加者が5人も集まりました。この場を借りてみなさんに感謝の意を伝えたいと思います。ありがとうございます。
第一回の選書は、児童文学の重鎮作品ともいえる『モモ』。時間貯蓄銀行の外交員を名乗る灰色の男たちから人間の盗まれた時間を、不思議な少女モモが取り戻すお話です。
私たちラボインターンを含めて7人の参加者は、作品に登場するモモの親友にちなんだ「ベッポチーム」と「ジジチーム」の2チームに分かれて話し合いました。
「タイムイズマネー」を標榜する現代社会の価値観に疑問の一石を投じるこの作品は、案の定、参加者たち間で大いに盛り上がりました。
「灰色の男が現れたら、真っ先にこの会の時間が削られるだろうね(笑)」
「社会人になってから無駄な時間がなくなったな。いや、あることにはあるんだけど、計画的に無駄な時間を作るようになったから、すでそれは無駄とはいえないと思うんだよね」「仕事に追われる日々でさ・・・。そうそう『花金』の素晴らしさがやっと分かるようになったんだよ」
「国によっても時間のとらえ方が違うよね。日本は電車が数分遅れただけでお詫びのアナウンスが流れるけど、インドだったらありえない。」
「というか、この内容をはたして児童が分かるのか?本当に対象年齢が小学5~6年でいいのか?自分なら無理だね」
物語のテーマに沿いながら(ときどきは脱線して)、自分の経験談や伝え聞いたものを互いに出し合い、時には真顔で話し相手の方を注視し、時には渋い顔でんー、とうなり声を出し、そして時には笑顔で笑い、各自が身の上の心情を話しました。
読書会の最後には、各グループで「息子(あるいは娘に)薦める一冊」をテーマに『モモ』を紹介する一言キャッチを考えてもらい、互いに発表しました。
「ベッポチーム」が考えたキャッチは、『時間の音に心をすませば・・・』でした。この作品の最大のテーマは「時間とは何か?」ではないか。なら、マイスター・ホロの「時間は心で感じるものだ」という言葉や、モモの感じた「時間の音楽」が重要に違いない。それをまとめてこのキャッチが作りました。ならば、マイスター・ホロの「時間は心で感じるものだ」という言葉や、モモの感じた「時間の音楽」が重要に違いない。そのような話し合いをした結果、まとめて出来上がったのがこのキャッチです。
一方「ジジチーム」のキャッチは、『20歳(ハタチ)になったら意味がわ
かるかも?』でした。この内容が分かるのは、やっぱり大人の
事情を知り始める20歳ごろではないか。でも、そんな意味深長
なこと言われて渡されたら日には、子どもだって読みたくなる
のではないか・・・。そういう意図を込めてのことです。
読書会が終わった後はみんなで談話タイム。読書会で話し足りなかったこと、また本とは関係のない仕事の話などして、時間のことなど忘れてじっくり話し合いました。もしかしたら、『モモ』効果がさっそく現れたのかもしれません。
このような流れで第一回読書会は終了しました。会を運営する上で、不手際な部分もありましたが、この読書会のコンセプトの「本音を語る」という意味ではみなさんの考えていること、経験が赤裸々に語られたところをみると、核の部分では上手くいったのではないでしょうか。この会の反省の上で、来月に第二回読書会も開催する予定です。みなさまのご参加を心から楽しみにしています。
ラボインターン 渡邊