政策デザイン勉強会 vol.50
横浜から「オープンガバナンス」を問い直す~市民参加型社会から市民共創型社会へ

7月21日(土)16時からさくらWORKS<関内>で50回目となる政策デザイン勉強会を開催します。

オープンガバナンスとは、超高齢・人口減少社会の急速な進展やデジタル時代の本格的な到来を背景として、市民と行政が協働で地域の課題解決にあたる新しい公共サービスの枠組みとされています。

「オープンガバナンス」の理念によると、市民は、市民参加型社会のメンバーとして地域の課題の解決に多様な知恵と経験を出しあって自分たちの問題として主体的に共同して取り組むものとされ、一方で行政は、オープンデータに取り組むと共に、市民のニーズや提案を積極的に施策に反映させるなど市民参加型社会のプラットフォームとして機能していくとされています。

そしてこうした「オープンガバナス」の考え方を市民や自治体に広めて行くために、東京大学公共政策大学院が中心となり「チャレンジ!オープンガバナンス」という、データやICTを活用して市民と行政が協働で課題解決のためのアイデアを出し合うコンテストを3年前から開催しています。

今回の政策デザイン研究会では、「横浜から『オープンガバナンス』を問い直す」をテーマに、市民/学生と行政が協力し、新しい発想で地域の創造に挑戦するコンテスト「チャレンジ!オープンガバナンス(COG)」の提唱者である奥村教授を招き、オープンガバナンスについての理解を深め、横浜で具現化していくための実践や仕組みのあり方について考えます。

<実施概要>
日時:2018年7月21日(土) 16時〜18時 (15時30分開場)
場所:さくらWORKS<関内> (横浜市中区相生町3-61 泰生ビル2F)
参加費:500円(資料代)
主催:NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ
申込:以下のfacebookページで「参加する」を押していただくか、info@yokohamalab.jpまで、件名「勉強会参加希望」と書いて送る。
https://www.facebook.com/events/484797495286150/

<進行>
1.趣旨説明
2.話題提供「市民参加型社会から市民共創型社会へ」
・関口昌幸さん(横浜市政策局 共創推進室)
3.LOCAL GOOD YOKOHAMAが目指すオープンガバナンスについて
・杉浦裕樹(NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ)
4.チャレンジ!!オープンガバナンス 2018について
・奥村裕一さん(東京大学客員教授、COG運営コーディネーター)
5.ディスカッション
6.お知らせ

<参考>
▽横浜市における「オープンガバナンス」「市民共創型社会」について

横浜市においては、市民は既に半世紀以上も前から、地域の様々な課題を解決するため、多様な知恵と経験を出し合い、主体的かつ共同の取組を進めてきました。また行政も市民のニーズや提案を市政に反映するための様々な仕組みや場を形づくってきました。

すなわちオープンガバナンスの本質が「市民参加型社会-市民と行政が協働で地域の課題解決にあたる新しい公共サービスの枠組」を創るということであるのならば、そのためのツールとしてICTを活用するという点を除けば、横浜においては、はるか昔から「オープンガバナンス」(市民参加型社会)の理念は市民と行政に浸透しており、市民参加の事例もこの半世紀以上に亘って、市内の各地域で脈々と積み重ねられてきたのだと思います。

ところが、超高齢・人口減少社会の急速な進展することで、市民の生活スタイルや意識が大きく変化し、これまで横浜市において、積み重ねられてきた「市民参加型社会」の仕組みや場が、もはや成り立たなくなってきています。例えば共働き世帯が急増することで、これまで市民参加型の地域活動の担い手であった主婦層がどんどんやせ細っている。また高齢者が60歳代になっても働き続けるようになっており、地域活動に参加するだけの時間的ゆとりがなくなってきているなど、これまで市民参加型社会の主たる担い手だった主婦や高齢者の活躍が地域社会において期待できなくなってきているのです。
一方で行政がいくら市民のアイデアや提案を市政に反映したくても、財政的に許されなくなってきている事態も生まれています。

従って、オープンガバナンスという思想や実践に着目する私たちの問題意識は「市民参加型社会」の理念を市民に啓発し、市政への市民参加の取組事例を一から、生み出していくということにあるのではなく、ICTやデータを活用することで、これまで自治体として築きあげてきた「市民参加型社会」を進めるための仕組みや場を新たな「市民共創型社会」の理念に基づいて、持続可能な形で再構築していくことにあるのではないでしょうか。

▽「チャレンジ!!オープンガバナンス 2018」について
「チャレンジ!!オープンガバナンス」は,自治体が地域課題(子育て・家族・教育,高齢化・介護・医療・健康,エネルギー・環境,防災・防犯,産業振興,まちづくり・交通,地域プロモーション,観光,雇用など)と関連データを提示し,それに対して市民がアイデアをまとめるプロセスと成果が審査・評価されるコンテストです。
主催:東京大学公共政策大学院 「情報通信技術と行政」研究プログラム(PadIT)
共催:東京大学ソーシャルICTグローバル・クリエイティブリーダー育成プログラム(GCL)
CSRパートナー:LINE株式会社
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/padit/cog2018/

*「政策デザイン勉強会」について
様々な主体の連携により、地域の具体的な課題や、課題解決のための国内外の先進的な政策の情勢などを知り、未来の街の姿を広い視野でとらえ、政策決定のプロセスに市民が参加していくための仕組みや仕掛けを考えるための勉強会を不定期に開催しています。
http://bit.ly/seisakudesign